未払い残業代の請求方法　�E：労働基準監督署への誤認

未払い残業代請求方法の労働基準監督署について説明しています。

あなたの労働基準監督署の認識は？

 

あなたからの内容証明通知を受けた会社は
いったいどんな返答をしてくると思いますか？



まあ、会社と交渉した時と同じ主張か、無視。
そんなところのはずです。



証拠集め、会社との交渉、内容証明通知発送・・・
そして今からはなす「労働基準監督署への相談」も、全ては



労働審判で勝つためにやる大事なプロセスなんです。



その行為のみで解決しようというのが目的じゃなくて、
（多少はありますが）
勝つための道順だと思ってください。



「えっ？労基署に言ったら全部片付くんじゃないの？？」



労働基準監督署、略して労基署なんですが、
どういうところで、何をしてくれるところだと思いますか？



世間一般的には
「会社の悪事を正してくれるところ」とか
「通報したら会社が困る」とか
「公的機関だから安心」とか、

「労働問題の警察」っていう感じですね＾＾



でも実際は、私たち労働者にとってはそうじゃないんです。

理由をお話しします。





行政指導に即時強制力がない・・・
という言い方は難しいかもしれませんね。

労基署は、あくまでも「あきらかな労働法違反に対してのみ」動いてくれます。

もし違反するような行為が行われていたとしても、
客観的にみてそれが明らかじゃない場合はなかなか動いてくれません。



また、労働条件（待遇）改善のための交渉とか、法律上の判断が微妙な労働問題・・・
あなたと会社で話し合って決める問題と思われるようなことには介入できないんです。



労基署に動いてもらいたいと思うんだったら、
誰が見ても間違いなく法律違反だとわかる証拠を持って、
会社に何を要求したいのかをはっきり申し出る必要があるでしょうね。

もしかしたら是正勧告なんかしてくれるかもしれません。



でも私が「使えない」と言っている理由は、そのことがメインじゃないんです。



遅い・不確実・いい加減



利用したことがある人は、共感してくれるはずです。
知識を持っている人なら、ほぼ常識に近いですかね(^_^;)



これ見てもらうとわかるんですが・・・



あれっ？ない。

たしか労基署のことをボロクソに書いていた
書籍があったはずなんですが・・・

確かにあっったはずなんですが、アマゾンでもないですね。
私の勘違いじゃないはずなんで、知っている人いたらご連絡ください。



まあ、それはさておき、
そんな、訴えられてもおかしくない書籍を出されているぐらいだから、
よっぽどってことです。





だいぶ昔になりますが、居酒屋で飲んでいるときに
中華料理屋で働いてた友人が労基署に相談したと言っていました。

そのときの担当職員は、違反している人物（オーナー）が中国人だと分かると

「中国人は何言ってもダメだよ。頑固だから。」

そう言って、1〜2度電話したぐらいで仕事放棄の対応をした職員がいたそうです。



そのとき知人はまだ若かったから、そんなものなのか・・・と、不満はあったものの
労基署が無理って言うんだったら、どこに行っても無理なんだろうと思って
それ以上特に何もせず、泣き寝入りということになったそうです。





でも、思うと、これは最悪ですよね(-_-;)
ありえない対応です。



でも、さすがに今は善されている・・・ん？

 

神奈川労働局は２９日、事業所から提出された申請書類の処理を怠ったなどとして、県内にある労働基準監督署の４０代の男性職員を減給３カ月（１０分の１）の懲戒処分にした。

同局によると、職員は０８〜１０年度、最低賃金の減額特例許可申請など７件の事務について、署長の決裁を受けながら処理を怠るなど不適正な処理をした。事業所から問い合わせを受けて署内調査が始まろうとした際、管理簿を廃棄することもあったという。

毎日新聞　2010年10月30日

 

そんなところをまるっきり信用・あてにするわけにはいかないです。





労基署が使えない理由をもう1つ。



労基署で申立てして、仮に、仮にですよ？
あなたの申立てが正しいと判断されて、会社に勧告なんかでて
未払い残業代が支払われる。



それだけです。



そう、慰謝料やら謝罪やらっていうことに関しては、
一切ノータッチなんです。



「民事不介入」の原則っていうやつですかね。


まさにお役所仕事の代表格を使って、本当の解決ができるのか？
少なくとも、わたしは解決できるとは思えません。

ただし、うまく利用することであなたにとって有利な状況を生むことができます。