労働審判第1回期日で勝つためのテクニックを説明しています。
第1回期日の流れや具体的作戦を説明します。
テクニックは実際にわたしが使って効果があったものです。
第1回目は、主に申立書・証拠の確認。
答弁書・証拠の確認からスタートです。
それからそれぞれの主張に、審判委員会から質問され、答えるといった感じです。
争点がわからない場合でも、審判委員会の方が申立書・答弁書を見て
勝手に争点を見つけてくれます。
どこが食い違っているのか?
会社の違法行為はないのか?
などを詳しく知るために、たくさん質問されるでしょう。
たま〜にカマをかけるような質問をされるかもしれません。
実際私はされましたしwww
べつに怖がることなく、普通に受け答えしたらいいですよ^^
もっと自分の主張に信憑性を持たせたい・・・
もっと審判委員会に信じてもらいたい・・・
そう思っている人には、下に記載した
「テクニック1.」を使ってください。
次に
個別の質疑応答での勝つための交渉術を紹介します。
交渉術を使う相手は、会社へではなく審判委員会の人達へです。
会社に請求額を支払わせる・説得するのはあなたじゃなくて、審判委員会です。
だから審判委員会へ交渉術を使っていきます。
1−1. この労働審判で解決したいという想いを伝える。
1−2. 付加金を取り下げる。
1−3. これ以上の譲歩はできないことを主張しつづける。
この3つが第1回審理で使う交渉術?です。
では見ていきましょう。
1−1. この労働審判で解決したいという想いを伝える
個別質疑応答がはじまったらまず最初にやることです。
・労働審判が最終手段
・後がない
・解決しなかったら泣き寝入りになるという
1番初めにこの想いを審判委員会に伝えます。
これはどういう意味があるのかというと、
「あなたの労働審判に挑む基本ベース」を審判委員会に知ってもらう
ということです。
これを審判委員会に知っておいてもらわないと
解決する気がないとか
まだまだ次があるとか勝手に思われて
最悪、
じゃあ訴訟すれば?って思われてしまいかねないんです。
だから「これが最後なんだよ」という最終決着の想いを伝えてください。
審判委員会もそれに合わせて考え方を変えてくれました。
これから紹介していく交渉術も
この大前提があってこそ効果を発揮していくものなので、
ぜひ審判委員会に想いを伝えてください。
ただし、相手側(会社)には言わなくていいです。
わざわざ弱みを見せる必要はないですからね^^
1−2. 付加金を取り下げる
これは「付加金」はいらないということを伝えるということです。
私の場合は、審判委員会の方から先に話がありました。
個別での質疑応答に入ったら、引き続き不明点や主張の確認が軽く行われます。
相手側と入れ替わり、何度かお互いの主張を整理していきます。
そして早い段階から「金銭交渉」がはじまります。
多くの場合が、あきらかな会社の不法行為という状況です。
それは審判委員会も分かっているので、早い段階で金銭交渉に入る傾向があります。
⇒
労働審判の利用状況
「第2回期日までに終了した事件は、全体の約61.6%」
第2回期日で終了しているということは、
第1回目から金銭交渉が行われているということです。
これからの時間はほとんどこの金銭交渉にあてられると考えたらOKです。
これからさらに優位な状況を作っていくためにも、
あなたが先に調停のための歩み寄りをしないといけません。
「和解して解決したいです!」
口で言うのと形にして言うのとでは、見え方・受け取り方が違います。
だったら付加金っていう滅多に適用されないものを取り下げて
歩み寄りとした方が得策です。
付加金を取り下げるというのは、
交渉で大事な要素である「歩み寄り」の意思を「形」で示すためにやる
第1の歩み寄りなんです。
1−3. これ以上の譲歩はできないことを主張しつづける。
付加金を除いた請求金額を維持すること。
ようは
高い金額で粘ることです。
「歩み寄り」すぎると、どんどん金額が下がってしまいます。
結果的にあなたが決めている「勝ちの定義」より下回ってしまう可能性が高くなるということです。
最大で3回の審議が行われる労働審判。
あと2回も残っているんです。
第1回から請求金額を下げると、審判委員会はもっといけるんじゃないか?と判断して
「妥協金額を考えてください。」
こういった言葉を言ってきます。
押しがどんどん強くなってくるので注意してくださいね。
「考えた結果の請求金額なので、一応次の期日まで考えてはみますが、
今の段階では下がることは決してないです。」
そう言って、私は粘りました。
審判委員会は、今回はこれ以上話しても無理かな?と判断した場合、
次の期日の日程を決めます。
審判委員会3人の都合のいい日時を話し合って提示されて、
あなたと相手側に都合をきかれます。
期日を早めてほしければ、言ってOKです。
できるだけ早く〜とか。
第1回としては、これで終了です。
会社がさっさと解決金(和解金)を払って調停となる可能性はないことはないですが、
期待しない方があなたのためです。
期待を裏切られると、やっぱりショックですから。
それでは、実際にわたしが使ったテクニックを紹介します。
テクニック1. 弁護士の無料相談メールで意見をもらう
証拠にはならないですが、3部プリントアウトして当日出せば
「弁護士もあなたの主張を支持している」
というという飛び道具として、審判委員会の心証に影響を与えるはずです。
弁護士の名前なんか入っていた方が信憑性が増すのは、言わずともですね^^
今はどこの事務所でも無料メール相談があるので、
一概にどこの弁護士事務所がいいとかはありません。
試しにいろいろメールしてみましたが、どこも大体同じでした。
最終的には「お会いして一緒に考えましょう」という言葉が出てきますよ^^
テクニック2. ドア・インザ・フェイス
請求額200万円で主張しつづけて、第3回期日に80万円に一気に落とす。
セールスマンもよく使う手法ですね。
「これ以上の値下げはむりです!勘弁してください!!」
「・・・わかりました。じゃあ、赤字決定で●●円でお願いします・・・」
これは、はじめから●●円で売れたらOKという計算なんです。
(たとえ話が下手すぎるのはご了承ください)
わたしはこのテクニックで「勝ちの定義」より大きな金額を支払わせました。
それまで請求金額を落とさないように粘ることが肝心ですね^^
テクニック3. 残り者には福がある
これはテクニックではなく、確率も不明なんですが・・・
ある程度良い心証を持たれていたら、あなたが素人ということもあって
審判委員会からサービスを受けられるかもしれません。
わたしは毎回審理が終わって、会社側よりあとに退出しようと
グズグズ申立書とか書類を片付けていました。
すると審判委員会(裁判官)から
「内緒だけど・・・」
という暗黙の了解みたいな感じで、
相手側の個別質疑応答の話とかを一言二言、かる〜〜く教えてくれました。
「山口さんのために融資を組んだらしいよ」などなど。
相手側よりあとに退出した方が、お得です^^