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未払い残業代の請求方法 C:会社との交渉について

 
未払い残業代請求方法の会社と交渉について説明しています。

いざ会社へ請求!

 



さて、証拠はもうそろったでしょうか?
まだなら前ページにもどって、証拠集めすることおすすめします。





では、会社へ交渉という第1段階

やり方は色々あると思います。
例えばメールで要望書出したり、直接上司へ話したり・・・



しかし、目的を間違えないように気をつけるべきですね。



だって会社が要求に応じる可能性は、極めて低いものだから。
まともな経営者なら、既に改善してあるはずなんでね。

なので、この「交渉」というのは「開戦の合図」という認識で。



1. まず、要求をメールで出してみて相手の反応をみる
2. 無反応・要望却下の場合、内容証明を発送
3. 返答を文書(メール)でもらう
4. 返答に対する反論の仕方を確認
5. 労働基準監督署へ相談
6. 労働審判申立


こういう流れを想定しておけば、スムーズかつ迷わず請求できると思います。




1. 要求を出す

 


これは、会社に要求を呑ませるためにやるのではなく、
要求が何なのか知らせるために出します。

また、この回答で会社の対応を再確認出来ますので
最終的な決別ができるかと。

労働審判では全てのいきさつを証拠として出すので、
メールなど記録が残るかたちでの要求をして、
返答も記録が残るかたちで出してもらうよう要求書に書いておきましょう。




具体的な内容として

■提出日時、名前
平成●●年●月●日、ウランこと山口

■自分はどういう人なのか?
いつ、どこ(部署)に入社して、どういう業務についていたのか。

■現状の説明
何年何月から勤務しており、毎日何時から何時まで勤務しているが、残業代の支払いがないなど。

■要求
残業代等の請求。残業代●●万円の支払いを要求します〜など。

■支払わないといけない理由
労働基準法では本来なら残業代が出ないといけないが、出ていない〜など。
請求金額の計算式。

■歩み寄り
交渉が可能だという歩み寄りの記載。

■回答方法・期限
文書(メール可)での回答と、いつまでに回答がほしいという記載。

■対応依頼
誠意ある対応のお願い。


これを書いておけば、要求書としては上出来です。

「労働審判しますよ!」とか過激なことを書かない方がいいです。
いきなりそんなこと書かれたら、会社側も頭にきて
対応がおかしくなる可能性のほうが高くなってしまうので。

ちなみに私は見事にそれをやってしまいましたがね・・・



会社と交渉っていうのは、さっきも話したんですが
「開戦の合図」っていう意味です。

でも、目的は違っていて
「会社の対応不備の証拠集め」ということなんです。





2. 無反応・要望却下の場合、内容証明を発送

 



相手が話し合いを一方的に却下してきたり、
期限を過ぎても全く反応がなかった場合は、
交渉の余地がないと思っておいたほうがいいです。

ようは、あなたはやっぱりなめられてるってことです。

そういう場合は、速攻で内容証明発送で。



内容証明(公的)ということで、多少会社もビビるでしょうけど、
たぶんというか、やっぱり請求は否定してくるでしょうね。

前に話した「個人での内容証明通知」なんで、しょうがないです。

でも、中にはそれだけでビビッて支払う会社(経営者)が少数いることも事実。
こういう会社(経営者)は、だいたい

労働問題に詳しくない・初体験・臆病者・少しまともな人間・・・

そんな感じでしょう。まあ、どうでもいいですけどね。



しかし、交渉の場を用意してくる可能性が上がるのは間違いないと思います。

私から言わせると、交渉の場を用意してくる会社は
まだまともな方だと・・・
超悪質な会社は、返答さえしてこないですからね(^_^;)





3. 返答を文書(メール)でもらう

 



返答がきた場合、というか・・・
いくつかパターンが予想できます。


・普通にメールや文書で返事がくる
・口頭で返答される
・急に話し合いの場へ連れて行かれる
・帰れ!クビだ!などど暴言を吐かれる


相手がまともにこっちの言うことを聞くはずがないと思っておいてください。
言った通りに動いてくれたら「ラッキー!」ぐらいで。

多いのはたぶん「口頭で〜」「急に〜」だと思います。
そうなった場合にも慌てないように、準備が大事なんです。

「口頭で〜」の場合
なぜ文書じゃないのか?をたずねましょう。
ここまできたら、ビビる必要がないです。2週間〜1か月の辛抱です。

それを「交渉記録」に記載して、内容証明を出します。



「急に〜」の場合
「残業を証明する物証」の1部と、
あとでお話しする「会社との話し合い記録の紙」
もしくは「ビデオ・ボイスレコーダー」を持ってその場へ行きましょう。

準備がなければ、今日は記録を残す準備がないことを告げて
話し合いの日程を調整してください。



ここで、内向的な人とか、気弱な人っていうのが結構
間違った対応をしてしまいがちですね。

性格なのでどうしようもないのは重々わかるんですが、

「相手の言いなりになる=あなたの負け」

このへんをしっかり受け止めて挑まないと、元も子もないですよ。

どうせ退職するんです。
立つ鳥跡を濁さず・・・それはあなたにとって良い会社の場合。
次の会社のときとか結婚退職とかでやったらいいと思います。


今やるのは、会社と戦うこと!




クビだ!とか暴言とか吐かれたら、逆にラッキーです。
「経緯記録」に記載してやりましょう。

「いついつ会社のだれだれからこういうことで呼び出された。内容は〜」
「いついつ会社のだれだれにこういう要望を出した。返答は〜」




労働審判で最悪な心証を与えて、
結果として後悔させてあげるのが良いかと^^





4. 返答に対する反論の仕方を確認

 



交渉の場が用意されたら、「音声(映像)記録」をとることが1番良いです。
でも私みたいに持ってない人も多いと思うんで、そういう人は
さっき話した「会社との話し合い記録の紙」





まず「録画・録音」は、圧迫・脅迫なんか起きないように


『公平な話し合いの場を成立させる』

という抑止力があるので、1番良いと言ったんですね。
もし持ってたら、会社に了承を得てやってください。



もし断られたら、ちょっとズルイやり方だけど

「録音してもいいですか?・・・ああ、ダメですか。どうしてですか?」

の前から勝手に録音したらいいと思います。
最終的な切り札になりえるかも知れません。





次に「会社と話し合い記録の紙」

例えば、こんなフォーマット。


平成●年●月●日
●●会社 第1会議室 出席者:●●部長、●●係長、●●課長代理

■残業代未払いについて:●●係長は、基本給に残業が含まれているとのこと。
■計算式:〜〜〜〜
■労働基準法違反について:●●部長は、違反ではない。理由は〜〜とのこと。


みたいな感じで、あなたの要望に対する会社の主張をその場で書きます。
書き方はどうでもいいです。

このポイントは、「相手に見えるように記録する」ことです。

ナイーブな問題なので、感情的な発言をする場合があります。
それを文字としてその場で記録して、
本人・他出席者が見れる形にするっていうことは、
抑止にもなりますし、お互い整理もしやすくなります。



もしメモをとることを拒んできたら、
上の部分を頑張って言ってください!



今起こった(発言した)事実を、その場で「言ってない」と嘘は言いにくい。
会社も認めざるを得ない不備の証拠が作成できる。


これが本当の理由ですので。



あなたの主張が正しければ、相手(会社)は
必ずどこかに嘘や法律違反の主張をしてきます。



「働いた分を法律にそって支払わないのはなぜですか?」
「払っているよ!基本給に含まれてるんだよ!」 ⇒記録の紙に記載。

「計算式を教えてください」
「(時給850円×8時間)+時給850円×2時間×1.25〜〜」 ⇒記録の紙に記載。

「これ、労働基準法違反なんですけど?」
「どの会社もやっていることだろ?」 ⇒記録の紙に記載。



この話し合いで恐らく何も解決はしないでしょうが、

会社の労働基準法に対する意識の低さや、
間違った計算方法・知識という証拠をとるのが目的。


もちろんこの「会社との話し合い記録」も証拠として出します。





「残業を証明する物証」の1部について。

これは前に証拠作成でしてもらった
会社のPCメール送信記録時計が入った社内を写した携帯カメラ写真とかのこと。



ちゃんと物証がありますよって1部を見せてあげる。

他にもまだまだ用意していることを話してあげる。

でも全部は出さない。

わざわざ手の内全部を教えてあげる必要はないですからね^^



ようは、脅しです。


戦闘準備OKだよ?物証もあるよ?
やっても勝つよ?やんの?どうすんの?




そういうことです。



これで、うまく会社側が交渉にのってくるようだったら
金額交渉をしたらいいかと。

でも話が平行線で進まないようなら
日をあらためての話し合いを提案。

次の話し合いでも平行線だったら
もう話し合ってもしょうがないかもですね。

たぶん、日をあらためて話し合いっていうのができないことが
1番多いんじゃないかな?

そうなると、もう労働審判が決着のステージだと確信してください。



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