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労働審判 第2回期日について

 
労働審判第2回期日で勝つための進め方を説明しています。



第2回審理では、新たに主張・証拠が出てきた場合に
お互いへの確認が行われます。が、

一般的にはすぐ個別質疑応答で、「金銭交渉」が再開されます。
私の場合もすぐに金銭交渉の続きに入りました。



データではこの第2回期日で決着がつくことが多いとなっています。
⇒ 労働審判の利用状況

あせらず慎重に交渉していきましょう!





審理第2回の勝つための交渉術です。



2−1. 予定変更を伝える。
2−2. これ以上の金額譲歩はできないことを主張しつづける。
2−3. 代替え案を提案。
2−4. 今日折り合いが付きそうか確認する。






2−1. 予定変更を伝える。

 



当初では労働審判で最終決着を想定していたが
やっぱり訴訟も視野に入れていることを伝えて
でも労働審判で決着をつけたいのは変わらないことを再度伝える。

そういう意味です。



違う言い方をするなら、

「労働審判での会社側対応をみても、やっぱり誠意は感じられません。
訴訟にしないと解決できないんじゃないかな?という心境の変化があります。

でもわたし的にはやっぱり労働審判で決着をつけたいという意思があるので
頑張って会社側を説得してくださいね」



そういうことを伝えたいのです。

だから2−1.の目的は、審判委員会に「焦ってもらう」ことです。
やっていることは、簡単に言うと「脅し」です。



あんたじゃこんな案件すら説得とか解決できないんじゃないの?
だったら通常訴訟しちゃうよ?
訴訟に移ったら仲間からダサッって思われちゃうよ?
あんたたちはプライドの塊だけど大丈夫?


「脅し」としてはそういう意味合いがこもっています。



もちろん「仕事」として労働審判の理念を全うしようと尽力してくれますが、
あくまで他人事。
審判委員会は家族でもなければ恋人でもない。
他人です。他人事なんです。



この他人事を少しばかり「自分に関係あること」にしてあげるんです。



今言ったように、この人達(弁護士含む)はプライドの塊です。
理由はだいたい想像できますよね?

常日頃から、立場や目線が少なからず上向きなんです。
「先生」なんて呼ばれて、否定しないのがいい証拠ですから。
この「先生」がこんなしょうもない案件すら解決できないことが公表されるって・・・



先生の名前にキズがつくわけですね。



その可能性があることを連想させてあげる。
そして「しかし労働審判で決着をつけたい」という解決策を出してあげると



その解決策というゴールに向かって、今までよりも頑張って走ってくれます。





この「脅し」には、当然審判委員会から会社へ伝わって、会社側へも効果を発揮します。
それを見越しての「脅し」でもあるわけです。



通常訴訟となれば、一般に広く公表できるし、マスメディアなども協力的です。
ニュースでもしょっちゅうやっていますよね?

会社が潰れる1番の要因は、「信用をなくすこと」です。
だから、広く一般に、クライアントなどに知られるのは絶対に避けたいところです。

それをやるっていうんだから、「脅し」としては一級品です。



私はその「脅し」に信憑性というか、具体的にイメージしてもらうように
「共同通信」だとか「法テラスの弁護士代立替のシステム」の利用を準備中
ということを伝えました。

具体的には共同通信と法テラスの連絡先をメモして、そのページを見ながら話しました。



今まで準備周到にやってきた申立書や証拠・経緯記録・個人で申立てといったことから

「この人なら本当にやりかねない・・・」

ということを審判委員会・会社へ印象づいているはずです。
全ての歯車がかみ合ってきている感じはおわかりでしょうか?



ここで気を付けてほしいのが

あくまで最終の最終手段を勉強中だということを伝えるということ。
しっかり「労働審判で決着をつけたい」意思を伝えるということ。




そこを適当にしてしまうと

「じゃあさっさと訴訟すれば?」

なんてことになって困るのは、あなたです。
しっかり伝えましょう。



そういう「脅し」をしたら、普通の審判委員会なら

「そんな強気にでなくても・・・」
「訴訟ってたいへんだよ?」
「訴訟で勝っても、現実問題あなたの利益が・・・」
「判決が出ても、会社側にお金がなかったらあなたの大損・・・」
「正義っていう信念も大事だけど・・・」




っていう、私が今まで話してきた「勝ちの定義」みたいなことを言われるでしょう。
実際私も言われましたし。



「・・・そうですよね。だからこの労働審判で決着をつけたいんです!」



以上、「脅し」を効果的に使う方法でした。





2−2. これ以上の譲歩はできないことを主張しつづける。

 



これは第1回審理と一緒です。





2−3. 代替え案を提案。

 



これ以上金額は譲歩できないが、代わりに
分割支払い・審判内容は現従業員へ口外しないことを提案するということ。

「歩み寄り」です。金銭以外での。



最後に請求額を一気におとすという話(テクニック2.)はすでにしましたが、
それまで「歩み寄り」が付加金の取り下げ1つだというのは
なかなか厳しいものがあります。
そこで金銭以外での歩み寄りをしておこうということです。



「分割支払い・審判内容は現従業員へ口外しない。」
この2つを提案します。
これは当たり前のことをわざわざ提案しているにすぎません。


分割払い ↓
会社にとって支払いやすい状況ということ。
あなたにとってはどっちでもいい話。
※ただし、そうなった場合、必ず社長個人の名義で文書を提出してもらいましょう。会社が潰れたら払う義務がなくなってしまいますから。


審判内容は現従業員へ口外しない ↓
今回の事案が社内に拡大しないということです。
どっちにしろ労働審判の結果は原則非公開です。
調停(和解)内容にむりやり入れられます。



会社にとってのメリットを提示することで「歩み寄り」となるわけです。
わざわざ憎い会社のことを考えてあげるというのは
心証的にも悪いはずがありません。





2−4. 今日折り合いが付きそうか確認する。

 



会社側がどう言っているのか?
いくら支払うと言っているのか?
それを審判委員会に質問します。



正確な金額を教えてくれるかはケースバイケースですが、
あまり信用はしないでおきましょう。

そして折り合いが付きそうかどうか?を聞いてみてください。
あまりにあなたと会社側に差がありすぎると、
第3回期日で決着をつけるということになります。



ある程度会社が支払金額を上げてきたら、それは良い兆候です^^
今までみせた「歩み寄り」を強調して、なんなら10万円ぐらい金額を下げてでも
今回で終わらせたいという想いを伝えてください。



そして最終的にあなたの「勝ちの定義」を超える金額になれば、それで合意するんです。
(「欲」が間違いなく出てきますので、くれぐれも注意してくださいね)



私の場合は審判官から

「ぶっちゃけ本当のところはいくらで合意と考えていますか?」

なんて聞かれてしまいました。



審判委員会も、あなたが「交渉=かけひき」していることは100も承知です。
ここで本当の金額なんて言わなくていいです。
その金額で落ち着くなんてことはないでしょうから。



あとさっき「あまり信用しないでおきましょう」と言ったのには
もっともな理由があります。



審判委員会はタヌキだからです。
言い方を変えれば交渉の達人。



こんな話があります。

 


会社側の個別質疑の内容が知りたくて、カバンだけそのままおいて退出しました。
そのカバンの中にはボイスレコーダーが入っていて、録音していたそうです。
家に帰って録音内容を聞いてみると、私に話した会社側の出せる金額と会社側が審判委員会に言っている金額は違いました。

 




まあ違法かどうかはおいといて、
フェアじゃないのでこういうことはしてはいけません。

この話が私のことと疑われるのであれば「違う」とだけ言っておきます。
真実は闇の中ですが^^



そういうこともあっての「あまり信用するな」です。



あと、会社が支払わない理由について。
これも率直に審判委員会に聞いてOKです。

もし払わない理由が「主張の違い」ということだったら
あなたの「非」が大きいのか、審判委員会が最悪なのか・・・



「金がない」ということだったら、やりようがあります。
融資組んだり、車売ったり、自分の給料を下げたり・・・



分割での支払いを提案しているので、払えない理由にはなりません。
子供のようにただごねているだけです。



それを審判委員会に伝えるといいです。
そうすると「払えない理由=審判委員会の力量不足」と連想させれますので^^





折り合いがつかなければ、また前回同様次回期日の日程調整です。
次回が最終になります。



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